自動車業界に身を置く弱者男性が憂う日本の行く末

最近のできごと

先日、上司から「中国駐在の話があるがどうする?」という話があった。

日本脱出を目指す自分の心は高鳴ったけれど、以下逡巡した結果、曖昧な返事をした。

 

 ・経済的・政治的に不透明な中国であることや、結局日系資本の会社であれば、その後現地で転職することは困難か?

 ・であるならば、やはりシンガポールMBAを取得し、そのままシンガポールのグローバル企業への就職を目指すべきか?

 

一方、やはり駐在の魅力は給与と、ステータスだと思う。給与は諸々考慮すると2倍くらいにはなるし、役職も1.5個上くらいで赴任するので、経験にもなるだろう。

そんな思いから「やはり駐在したい」という気持ちを抱き始めた矢先、上司からあの話は結局流れたと言われた。

やるかたないが、結局運命は私にシンガポールに行けと言っていると解釈をすることで心を整理した。

 

最近の自動車業界

世にごまんとニュースがあるので、私のような素人が言わずもがなだが、日本の自動車業界は斜陽だ。わずか10年足らずだが、ずっと自動車業界に身を置いていると、リアルにその凋落ぶりを日々感じられる。

 

結局グローバルに日本メーカーのシェアが凋落し続ける一方で、BYDやテスラなんていうメーカーはもはや従来のトラディショナルなメーカーと比肩するほどになっているし、その他ポコポコ生まれる新興メーカーも台頭している。

 

そんな中で、日本のメーカーがいの一番に代えないといけないことはスピードだろう。本当に何もかもが遅い。日本が5年以上かけて新車の開発をしている一方で、中国は1~2年で最新の、かっこいい車を作り上げてしまう。スピードが段違いだ。日本は牛歩すぎるのだけれども、一体全体何がしたいのか?

新車販売前に間違っては修正し、間違っては修正し、いつまでたっても新車が出ずに、出た頃には技術は一歩も二歩も送遅れている。そんなことをしていてどうやって競争に勝てるというのか?

 

愚痴を言えばきりは無いが、例えば無駄な仕事が多すぎる(会議、資料作りetc)。いずれの負の要素もスピードの遅さに繋がっていると思う。

 

日本自動車業界の行く末

上述したように明らかであるが、既に様々な新興メーカーにシェアを奪われている現状かつ、”カイゼン”を追及するあまり、カイゼンされない経営の速度から、今後の巻き返しは到底見込めないと私は思っている。

では長年自動車業界に身を置いている、何万、何十万という労働者はどうすれば良いのか?そのまま自動車メーカーと共に沈みゆくのか?

自明だけれども、やっぱり逃げ出さなければいけない。日本を代表する自動車業界は、やはり日本の縮図だ。デジタル化や教育、最新技術など使うべきところに金を使わず、政治を学んでいない世襲や経営を学んでいない社内政治でのしあがったリーダー、世の中と逆行する増税⇔サプライヤに対するコストダウン etc etc。

X-Dayがやってきたとき、残念だけれどもその時になって何十万もの人間が大挙して行く先は日本に無いと思う。だから私はX-Dayの前に出ていかなければならないと思う。今のうちに。

 

それでもやっぱときり悲しいことは悲しい。私は自動車が好きだし、今の会社だって悪いところは無限にあるけれども、いつかもっといい感じになるんじゃないかと期待するところもある。一緒に苦労している人たちは皆頑張っていて、良い人たちばかりだから、辞めるのも少し後ろ髪が引かれる。

でもそんな感情は一銭にもならないし、いざと言う、弱者男性は誰も守ってくれないのだから。